令和8年度税制改正・法人税
賃上げ促進税制、中堅企業向けは
令和9年3月末で廃止に
今のうちに知っておきたいポイントをやさしく解説します
結論を先に:従業員2,000人以下の「中堅企業」向けの賃上げ促進税制は、要件が見直されたうえで、令和9年3月31日(2027年3月31日)に適用期限が来て終了します。すでに大企業向けの措置は令和8年3月末で廃止済みです。賃上げによる税額控除を活用している会社は、今のうちに今後の見通しを立てておくことが大切です。
賃上げ促進税制とは?
従業員の給料を一定以上増やした会社が、増やした分に応じて法人税額から一定割合を差し引ける(税額控除)という制度です。会社の規模によって「大企業向け」「中堅企業向け」「中小企業向け」の3種類に分かれています。
図解:会社規模ごとの取り扱い
| 区分 | 目安 | 今後の扱い |
|---|---|---|
| 大企業向け | 全法人向け措置 | 令和8年3月31日で廃止済み |
| 中堅企業向け | 従業員2,000人以下の法人 | 要件見直しのうえ、令和9年3月31日で廃止 |
| 中小企業向け | 中小企業者等 | 現行制度を維持 |
※教育訓練費に関する上乗せ措置は、大企業・中堅企業向けともに令和7年度末(令和8年3月末)で廃止されています。
タイムライン
令和8年(2026年)3月31日
大企業向け措置・教育訓練費の上乗せ措置が廃止
令和8年(2026年)4月1日〜
中堅企業向け措置は要件を見直したうえで運用継続
令和9年(2027年)3月31日
中堅企業向け措置が適用期限をもって廃止
かんたんシミュレーション
制度のイメージをつかむための、ごく簡単な例です。実際の控除率・控除額は、給与増加率や要件の充足状況によって変わりますので、必ず顧問税理士にご確認ください。
例)従業員800人・法人税額3,000万円の中堅企業が、賃上げ促進税制で税額控除を受けていたケース
制度が終了すると、これまで賃上げ促進税制で軽減できていた法人税負担が、そのまま増える可能性があります。賃上げ自体を続けるかどうかとは別に、「税額控除が使えなくなる」という前提で資金計画を見直す必要があります。
今できる対策
制度が使えるうちに、給与総額の増加率や要件を満たしているか、決算期ごとに確認しておきましょう。
控除がなくなった場合の法人税額を試算し、令和9年度以降の資金計画に反映しておくと安心です。
令和8年度税制改正では設備投資減税や研究開発税制の見直しもあわせて行われています。自社の投資計画と組み合わせて有利な制度がないか、顧問税理士と確認しましょう。
出典(官公庁の公式情報)
財務省「令和8年度税制改正」パンフレット(法人課税・賃上げ促進税制の見直し)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2026_pdf/zeisei26_all.pdf
本記事は令和8年度税制改正の内容を一般的な情報としてご紹介するものです。個別の適用可否・控除額は会社ごとの状況により異なります。