自社株(非上場株式)の評価方法が62年ぶりに見直されるかもしれません

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自社株(非上場株式)の評価方法が
62年ぶりに見直されるかもしれません

結論を先に言うと:非上場会社の株式(いわゆる自社株)の評価ルールを、国税庁が本格的に見直す検討を始めました。見直しが実現すると、多くの会社で自社株の評価額が「上がる」方向になりそうです。ただし、いつから変わるかはまだ決まっていません。今のうちに準備しておくと安心です。

目次

何が起きているの?

2026年4月20日、国税庁は「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」という会議の第1回を開きました。非上場会社の株式(自社株)の評価方法を定めているルール(財産評価基本通達)は、1964年(昭和39年)に作られてから大きくは変わっておらず、実に62年ぶりの抜本的な見直しになる可能性があります。

きっかけの一つは、会計検査院からの指摘です。「会社の規模が大きい会社ほど、株式の評価額が実態より低く計算される傾向がある」という調査結果が報告されました。

今の評価方法をおさらい

自社株の評価は、会社の規模によって主に3つの方法を使い分けます。

会社の規模 主な評価方法 考え方
大会社 類似業種比準方式 上場会社の株価を参考に計算
中会社 併用方式 大会社と小会社の方式を組み合わせ
小会社 純資産価額方式 会社の純資産をもとに計算

何が問題になっているの?

国税庁が令和4年分・5年分の申告データを調べたところ、会社の規模が大きいほど、実際の財産価値(純資産価額)に比べて申告された評価額が低くなる傾向がはっきりと出ました。

純資産価額に対する申告評価額の割合(中央値)

小会社 0.60倍
中会社 0.50倍
大会社 0.44倍

※会社の規模が大きいほど、評価額が実態より低く出やすいことを示しています。(出典:国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第1回)」資料)

もし評価額が上がったら? かんたんシミュレーション

見直しの中身はまだ決まっていませんが、「評価額が上がる」場合にどれくらい相続税に影響するか、仮の数字でイメージしてみましょう。

前提(すべて仮の数字です)

・現在の自社株評価額:1億円

・見直し後、仮に評価額が1.5倍の1億5,000万円になった場合

・相続税の実効税率を仮に30%とすると

評価額の増加分5,000万円 × 30% = 相続税がおよそ1,500万円増える計算に

※実際の税額は財産全体の構成や各種特例の適用状況によって大きく変わります。あくまでイメージをつかむための概算であり、正式な試算ではありません。

いつから変わるの?

現時点(2026年7月)では、適用開始時期は未定です。国税庁の会議は始まったばかりで、今後年内にかけて議論が進み、2027年度の税制改正で方向性が調整される見込みと報じられています。実際にルールが変わって適用されるのは、早くても2028年以降になるとの見方もあります。続報が入り次第、あらためてお知らせします。

今のうちにできる対策

① 自社の株価を一度、現状のルールで試算しておく
見直し前の評価額を把握しておくと、変更後との差を比較しやすくなります。

② 事業承継のタイミングを前倒しで検討する
評価額が上がる前に贈与や事業承継税制の活用を進められないか、早めに専門家と相談しましょう。

③ 事業承継税制(特例措置)の期限を確認する
特例承継計画の提出期限は延長される見込みですが、実際に贈与・相続を行う期限は変わらない可能性があります。制度の適用期限は必ず最新情報で確認してください。

④ 顧問税理士と定期的に情報を共有する
今後の議論の進展によって対策の内容が変わる可能性があります。継続的に相談できる体制を整えておきましょう。

出典・参考情報

国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第1回)」配布資料(2026年4月20日)
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260420/pdf/01shiryo_kabukaigi.pdf

本記事は2026年7月31日時点の公開情報にもとづいて作成した一般的な解説であり、個別の税務相談への回答ではありません。

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